風よ吹け


2001年10月17日  「狂牛病発生で泣くのは誰」


農水省や厚生省といった役所は、何のためにあるのだろうか。
私は、監督官庁というのは国民を守るためにあるのだと思っていた。でも、どうも違うらしい。狂牛病に関する対応を見ていると、畜産業者の方を向いて仕事をしているのがよくわかる。何かというと「業界への影響が大きすぎる」などという。結果、「行政指導はしました」といいつつ、肉骨粉は大量に日本に入ってきていた。指導すればいいというものだろうか。入ってこないようにするのがつとめなのではないか。
また、真実を見極める力もなく、公表を先送りすることによって牛肉離れが起こり、小売店はもとより、飲食店、メーカー、卸業者、果ては守ろうとしていた畜産業者まで大打撃をうけることになる。
「お肉には何の問題もない」といくら言われても背割りして解体していたのならば、背骨に入っていた骨髄が飛び散りお肉に付着してはいないか。
また、加工食品の中に入っている「肉エキス」は、骨からダシをとっているだろうと容易に想像できる。

メーカーや小売店の対応もまちまちだ。
「牛関連のものは入っていませんか」と聞くと、即座に「入っていません」と答えるものの、再度「本当に入っていないんですね」と念を押せば「ちょっと、お待ちください」といって改めて問い合わせたりする。
メーカーへ電話すれば、牛関連のものが入っている商品名をあげ、「これらに関して、只今調査中です」と答える良心的なところもあるが「当社では、昔から肉でダシをといっていました」などと、どう考えてもコストに合わないだろうなと思われる返事を平気でするところもある。
ただ、製品に入っていた材料のルーツを調べようと思っても、容易にはわからないだろうというのが率直な感想だ。その流れは複雑で、何段階にもなっているため、何がどうなっているのか簡単には探せまい。
考えてみれば、よく今まで、自分が食べる製品に何が入っているのかを見もせずに安心して食べていたなあと思う。

家でよくわかったものを自分でつくって食べるのが一番安全だとは思うものの、外食しないわけにもいかず、前途は多難である。
私たちは情報を仕入れて、自分の身体を自分で守るしかないのだ。


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