風よ吹け


2001年12月22日  「鈴木重子コンサート」


東大出身の異色ジャズボーカリスト、鈴木重子さんのコンサートに行って来た。
静岡県浜松生まれ。
東京大学在学中にジャズと出会い、本格的にボサノヴァ、ジャズヴォーカルを習う。
司法試験に挑戦しながら、ジャズクラブで活動を続け、どうせ生きるなら好きなことをしようとヴォーカリストの道を歩む。
95年に「プルミエール」でCDデビューすると同時に、日本人ヴォーカリストとして初のライブをニューヨークのブルーノートで行う。KDDIのCMに出ていたのを覚えていませんか?

癒し系の彼女の生の歌声を聞くのは、初めてだった。
普通、ミュージシャンというと、ソフィステイケイトされた、クールでスタイリッシュ、セクシーなイメージだが、まったく彼女は違っていた。
白いティーシャツのような七分袖のシャツに、白のふわふわのスカート。ストレートラインのロングスカートの方が素敵だし似合うのになあ、と思ったりして。でも、そのやぼったさが彼女らしさなのだろう。鈍くささや、だささが、可愛さにつながっているようだ。

歌う曲は、映画音楽のローズ、ポカホンタス、の他アメイジング・グレース、それにクリスマスらしくサイレント・ナイト。圧巻は浜辺の歌だった。日本語の歌が、とっても心にしみる。

のんびりとした、ゆったりとした話し方は、会場を巻き込むでもなく、自己陶酔系である。
そのステージスタイルは独創的で、実に無理をしていない感じがする。
そんな彼女には、たいへんなファンがいるらしく、「個性、自分らしさが大切」なのだ、ということを改めて感じる。
はじめてのエッセイ「天使のいる星で」もふわふわとした語り口調、やさしく暖かい生き方、回りのすべてに愛を感じる謙虚さが現れていて彼女らしい。
新譜「マイ・ベスト・フレンド」も夜寝る前に聞くと、しっとりとしていてよく眠れそうだ。
心優しくなりたい方に、おすすめです。





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