風よ吹け


2001年11月25日  「東京・外苑の銀杏並木」


東京・外苑の銀杏並木が色づき、もうそろそろ秋が終わろうとしています。
毎年、銀杏の葉が散り、歩道に黄色い絨毯が敷き詰められるころ私は足を運びますが、
そのたびに「この界隈は、東京で一番美しいところなのではないか」とため息がでます。
落ち葉をカサコソいわせて歩くのが楽しくて、自分が黄色に染まったように感じられるのが嬉しくて、つい友達に「歩きませんか」と声をかけて誘い出してしまいます。

新宿御苑生まれのこの銀杏は、80歳。
外苑に植栽されてからは70年あまりの年月を数えています。
植えられた頃は6メートル前後だった樹木も、今や最高24メートルにもなり、辺りいったいに威風を放っています。
それにしても、この美しさを長年保つために努力してくださっている方々に、感謝せずにはいれらません。
それだけ手をかけ、管理をし、慈しんできたからこそ今の姿が存在するのですから。
美しさは自分たちの手で守らなければならないものだと、私たちは改めて悟るのです。

今年は、連休まっただ中に行ってみました。
驚いたことに、そこにはいつもと違った光景が繰り広げられていたのです。
あまりにもたくさんの人が歩いていて、歩道は人でいっぱい。黄色い絨毯どころではありません。
人の頭で黒く染まっています。
車も渋滞していますし、人の波は新宿通りより混雑しているほどです。

今までにこんなことがあっただろうか。
去年まではウイークディに行っていたので気づかなかったのでしょうか。
繁華街を歩くより、自然に囲まれたい人の方が多いなんて・・・。
それだけ、癒されたい人が増えている証拠なのかもしれないとつくづくと感じた一日でした。




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