風よ吹け


2002年7月8日  「オペラ・トスカの魅力」


オペラの演目というと、どんなものをご存じですか。
「蝶々夫人」でしょうか、それとも「カルメン」、「ドン・ジョヴァンニ」、「トスカ」もよく知られています。
ところが、名前は聞いたことがあるし、ワンフレーズは歌うことができるけれど、ストーリーはと聞かれると、とたんに困ってしまうのが実状です。
たとえ、どんなに林真理子が「オペラが素晴らしい」といったとしても、やはりとっつきにくいというのが印象ではないでしょうか。

そんなオペラを次々に映画化しているのがフランスのプロデユーサー、ダニエル・トスカン・デユ・ブランティエです。彼はこのたびプッチーニのトスカを映画化しました。
しかも、主演にルーマニア出身のソプラノ、アンジェラ・ゲオルーギュとポスト三大テノールといわれるロベルト・アラーニャを配したのです。オペラ界の話題を集める実生活でも夫婦のこの2人はは、人気実力ともトップクラスです。

作品はモノクロの演奏シーンから始まります。まさに、オペラをそのままストーリー化していくのです。
大胆なセットで演じるオペラ歌手たち、モノクロの録音風景、デジカメで撮影したような粗い画像のローマの風景などを織り込みながら斬新な構成で物語は進みます。

さすがに、大きな声で耳元で歌う様を見ると「耳元でさぞうるさいだろう」とおかしな気分にもなり、テンポのよい作品に慣れている人たちにとって長い歌詞の場面は、まどろっこしい感じが拭えないと思われます。
しかし、いつしかその歌の歌唱力に引き込まれてしまい感動を味わえるのです。
映画化というのは、手軽にオペラを楽しめる方法だと改めて感じました。

9月にはこの2人が来日公演をするようで、ぜひそちらにも足を運んでみたいものです。


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