風よ吹け
2002年9月29日 「そば打ちの気持ち」
おそばを、初めて打ってきました。
私が参加した「そば打ちの会」は、30人ほどで行っています。
まずは師匠(プロのお蕎麦屋さん)の手本をじっと見つめます。
手で練ることによって単に粉だったものがおだんご状にまとまり、のばすことによって大きく四角に広がり、それを同じ細さで切るなんて神業のようです。
とても、自分でできるとは思えません。
「いつまでやっても粉のままだったらどうしよう」という不安を抱えつつ開始しました。
そば粉500グラムに中力粉100グラムをざるでふるいます。
大きなボールの中で合わせるのです。
そこに汲み置いた300CCの水のうち8割を「のの字」に注ぎいれます。
それを混ぜていくのですが手つきが大切。
水を包み込むように粉をかけ、熊手のように底からあわせていきます。
少し混ぜるだけで肩が痛くなってきました。
どうも、腰を使って体全体で混ぜる必要があるようで、腕だけで混ぜていると味もよくないという話です。
10分ほど合わせたら20CCほど、また水を「のの字」に回し入れます。
同じようにあわせると、だいぶ、粉が水を含んで重くなってきました。
だんだん粉の粒が大きくなってくるので、これを大きく一つに丸めていくわけです。
粉の感触や、水加減、合わせ方などとても難しく、身体で覚えていくしかないでしょう。
丸めたものを身体の方に引き寄せて折って丸めてというのを繰り返し、
お供えのおもちのようになるまで続けると次はのす(広げる)作業です。
丸くなったものを台の上で手の平で少し伸ばしてから、
棒を使って広げていくのですが、これが思うように広がらない。
棒が師匠のお手本のように動かないのです。
見ていると簡単そうなのに、うまくいきません。
のす作業は10分、四角にのした後きります。
大きな包丁を使って、身体をこの字に開いてリズムをつけて同じ細さに切っていきます。
ゆでは、そばが浮き上がってから10秒。
いやいや、「そば道」というだけのことはあり、道を極めるのはたいがいのことではありません。
この道3年というだけのことはあると、感心して帰ってきました。
もちろん、味は最高でしたよ。