<< ジャーナリスト岩崎由美からのお便り その51>>

東日本大震災で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
一日も早く、心安らげる日が来ますように、お祈り申し上げます。



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┏┏■   追悼 脚本家・市川森一先生
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■ 目次 ■
1. 追悼 脚本家・市川森一先生
2. 企業リポート「ECO博」
3. おすすめエンターテインメント 『マネーボール』
4. 年の瀬に寄せて

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┃ 追悼 脚本家・市川森一先生
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こんにちは。
ジャーナリストの岩崎由美です。

先日、皆既月食の日に脚本家の市川森一さんが亡くなられました。
私が空を見上げてオレンジ色の月に見とれていたころ、先生の命の火は消えてしまわれました。

初めて市川先生にお目にかかったのは、まだ20代のころ。
PHPの『The21』という雑誌で、私は書評を書かせていただいていました。そのときに先生のところにご著書のインタビューに伺い、以来、お食事に誘っていただいたり、観劇をご一緒したり、何かと気にかけていただきました。そうそう、頼まれてパリからルイ・ヴィトンのバッグを購入してきたこともありました。

近いところでは、先生のご縁のある企業で「広報担当として働かないか」とありがたいお話をくださいました。先生にとって大切な方とお目にかかるときに同席させていただいて、仕事に対する情熱を拝見し、故郷長崎に対する愛情もまじかに感じさせていただきました。
先生のお姿から、仕事人として生きる姿勢を学ばせていただいた、私にとってかけがえのない師でした。感謝に耐えません。

青山葬儀場で、先生は小さな箱の中に入っておいででした。
もう、あの笑顔を拝見することができない。
もう、お話しすることができない。
寂しい限りです。

心静かに、人の命のはかなさを想う年の瀬です。





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┃ 企業リポート「ECO博」
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パソナグループでECO博が開かれました。
東日本大震災で、すべての人が価値観の見直しを迫られ、家族で食卓を囲めることのありがたさ、毎日、つつがなく過ごせることへの感謝、愛する人たちと一緒にいられることがどんなに大切なのかを考えさせられました。

エネルギー政策についてもしかりです。なぜ原子力発電所を作ることになったのか。本当に原子力発電は必要なのか。私たちのエネルギーはどうしたらよいのか。
見直すためには、企業活動やライフスタイルも改めなくてはならない。そうしたことを考えようとECO博を開催することにしました。

1日目は、環境に優しい街づくりや、再生可能エネルギー、省エネビジネス最前線のセミナーでした。環境をテーマにした地方自治代の先駆的な事例やITを活用した新しい街づくり、農業の可能性などについてお話いただきました。
2日目は竹中平蔵氏、京都造形芸術大学の竹村真一教授の基調講演で、大震災後の地球環境問題や今後の世界経済の行方について語っていただきました。

地球規模でものを考える。
新たな時代到来です。





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┃ おすすめエンターテインメント『マネーボール』
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すごくいい作品です。スポーツのことも、野球ことも詳しくないけれど、それでもとってもいいなぁと思いました。

主人公は、実在の人物。
アメリカのメジャーリーグ球団の中でも、群を抜いて貧乏なオークランドアスレチックス。
そこのゼネラルマネジャー ビリー・ビーンをブラッド・ピットが演じています。
ビリーは、その能力を評価され期待の星として高校生のときにメジャーリーグからスカウトされました。彼は奨学金でスタンフォードに行けることになっていたのに、それを捨ててメジャーリーグ選手の道を選んだのです。
鳴り物入りでニューヨークメッツに入団したのですが、活躍することができず挫折の日々。引退を決意したとき、監督やコーチになれるにもかかわらず、自らスカウトになりたいと申し出ました。その細やかな心の機微を、ブラッド・ピットが好演しています。

オークランドアスレチックスはどうしても勝てません。優秀で人気のある選手を獲得するには資金力がない。それなら、従来の選手の見方を変え、評価基準を変えてみてはどうだろう。そのときに出会ったのが、他球団で新人だったフロントのピーターです。ピーターの今までにない視点や、統計学に基づいた考え方に注目しました。
ルックスや、個人の選手が持っているポテンシャリティーではなく、チームとして勝てるように、統計学に基づいた理論、公式に当てはめて選手を選ぶ。
他球団から見捨てられた選手、怪我をした選手、活躍期を過ぎた選手、投げ方の形が悪いなどといわれている選手を獲得し始めるのですが、ビリーの望む優勝は得られるのでしょうか・・。

何が小気味いいかというと、ビリーは自分が信じたデータ分析家ピーターを心底、信じきるところです。ピーターの理論で選手を獲得してもなかなか勝てず、周りに馬鹿にされ反対され続ける中、本当にこれでいいのかと揺れながらも、推し進めていく。今までにない野球を実現するために。
人を信じ、自分を信じるには強さが必要なのだと痛感しました。

ものの見方を変えるのは大変です。今までのやり方が良いとされているのに、それを変えて、しかも成功させる。真の改革は孤独であり、「当たり前」になっていることと戦っていかなくてはならない。自分の中の「今までいいと思ってきたこと」を捨てて、新しいことをやり抜く信念がなければ突き進めないでしょう。
改革者というのは、本当にすごい人だと尊敬します。





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┃ 年の瀬に寄せて
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皆様、あわただしい年の瀬をお過ごしのことと存じます。
一年間いろいろとお世話になりました。
今年は、さまざまなことを考え、人生を振り返り、改めて価値観を見直した一年でした。
今、私は、長年たまった本や資料などを全部出して見直し、捨てたり保管したりの作業の真っ最中です。大事にしまっていた仕事の資料、いつか読むだろうととっておいた雑誌や本、着なくなった服・・。
部屋の片付けと同時に、心の片付けもしています。
あのとき、この人にこんなことをしてもらった、こんな言葉をかけてもらった。私はこのとき、こんな気持ちだったなどといったことを振り返る、ゆっくりとした時間です。
なるべく欲や我を減らし、「人の役に立ちたい」と願った本来の自分でいられるようにしていきたい。来年もどうぞ、よろしくお願いします。







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