<< ジャーナリスト岩崎由美からのお便り その54>>
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┏┏■ 秋風が立ち始めました
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■ 目次 ■
1. 秋風が立ち始めました
2. 企業リポートは「青梅慶友病院」
3. おすすめエンターテインメント「大英博物館 古代エジプト展」
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┃ 秋風が立ち始めました
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こんにちは。
ジャーナリストの岩崎由美です。
今年はことのほか暑さがこたえました。
ひどい夏バテに加え、
肋軟骨を痛めるといったアクシデントにも見舞われ
生きているのがやっとの状態。
夏は大好きだったはずなのに一体どうしてしまったんでしょう。
確かに、以前とは比べようもない気温。
体温に近い気温を聞くだけで気が遠くなります。
冷房のきいた部屋に一日いると、どうしても体調が悪くなり、かといって冷房がないとツラク、だんだん寒いのか暑いのか自分でもわからなくなってきてしまいました。
肋軟骨の治療は、シップと鎮痛剤。
「運動をしてはいけない」「大きな声を出してはいけない」「重いものを持ってはいけない」と、身体を動かすことが心地よくなってきた私にとってはつらいことばかり。
気がつくと、ストレッチをしていたり、いつものように歌を歌っていたり、夏ばてしないようにとお肉をキロ単位で買い込んで家まで運んでいたり、痛んだ身体に悪いことばかりしてしまいます。
それもどうにかこうにか乗り越え、ようやく9月も中旬。
さて、皆様、充実した夏を過ごされましたか?
体力は十分ですか?
なんといっても身体が一番。
どうぞ、お身体ご自愛ください・
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┃ 青梅慶友病院
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高齢者病院でとても有名な「青梅慶友病院」に伺ってきました。
「自分の親を安心して預けられる施設」を目指して日々精進する姿は、信念があり、その哲学が細部にわたって実現されています。
人生の最晩年まで、人としてまっとうに生きることができるように、ゆったり、気ままにいられるように細やかな心配りが隅々にまで行き渡っています。
病院に入ってまず感じたのは、雰囲気が良いこと。温かく優しい感じがします。
訪れていらっしゃるご家族や職員の方々が、皆さん穏やかで笑顔です。険しい顔をなさっている方には一人もおめにかかりませんでした。
出会うと「こんにちは」「お外に座っていると蚊にさされませんか」などと自然に声をかけてこられます。
それだけではなく、病院の臭いがせず、清潔で、明るく、噂では聞いていたものの、今までの高齢者病院に持っていた常識が覆されました。
<自分の親を安心して託せる施設を目指して>
青梅慶友病院は、1980年に今の理事長の父上(現・会長)が開業されました。
勤務医として働いていたある日、父上のご友人が相談に来られ、痴呆の祖母を預かってくれる病院がなく、家族も疲れ果ててしまって困っていると聞きました。
そこで、どこか良いところはないかと高齢者病院を探し始めます。しかし、見れば見るほど清潔ではなく、臭いが気になり、雰囲気がよくない。そうした病院でも何か月も待たなければ入れないという現状を目の当たりにしました。
これは一体どういうことなのだろう。
そこで一念発起して、自分の親を安心して託せる施設を自分で作ろうと決意します。資金も貯まらずとても苦労していたところ、支援者との出会いがあり、何とか病院が立ち上がります。次にどうすれば自分の考えている理念が実現できるかです。
少しでも元気に、少しでも穏やかで苦痛が少ない状態でいていただきたい。一人ひとりの望みがかなえられ、人として大切にされ、必要とされ、尊敬されていると感じていただきたい。
普通、病院に入院すると、管理された中での生活となるので、豊かに暮らすなどというのは夢の夢。人としての尊厳など踏みにじられてしまいます。望んでもいない治療が施され、検査に次ぐ検査で、ただでさえしんどいのに、苦痛が加わります。
お預かりした患者(ここでは患者様と呼んでいます)を、一人の人として大事にしていく。
そこで、まずは生活の場としての環境を整え、そこに介護を加え、必要な時だけ医療が提供される、そんなサービス業になろうと決めました。
そのために、その病棟の看護師長が様々な決定権をもち、予算を使い、医師は一番下のところで控えるといった形をとっています。
<最期まで人としてまっとうに生きる>
のびのびと過ごせるような工夫は、そこかしこに凝らされています。
緑に囲まれた施設の中に、家族と一緒に散歩できるよう四季折々の花が植えられた庭園があります。それも曲がりくねった小道になっていて、ベンチで休んだときにもほかの方が気にならないような配置になっています。小川の水の音を聞きながらおしゃべりができるように、テラスにはいすやテーブルが置かれています。
面会時間の制限はなく、ゆっくり過ごせるようなスペースが建物内にもたくさんあり、家族と一緒に参加できる食事会や音楽界といったイベントも催されます。
また、食事やアルコールも自由に持ち込むことができ、団らんの時間も持てます。
現在の理事長は会長のご子息で、2010年に就任されました。父上の創業精神を守り、さらに質の高いサービスを提供しようと邁進していらっしゃいます。
一般の大学を卒業し、その後、継ぐ意思などまったくなかったものの医学部に進み勤務医として勤めていた。そのときに、現代医療の喧騒の中で死と闘いながら亡くなっていく多くの高齢者を見、青梅慶友病院を継がせてほしいと願い出たそうです。
・高齢者にふさわしい潤いのある生活の場があること
・看護、介護という生活を支える仕組みがあること
・最後の時を見据えながら痛み苦しみをなるべく少なくするような医療の機能があること
・介護や医療の必要度が増しても最後まで同じ生活の場で過ごせること
この実現に取り組む姿に、今の日本も捨てたもんじゃないとほっとしました。
白く硬い壁に囲まれた病室で、様々な臭いが渦巻く中、ベッドの上で管につながれ、本人にとってつらく苦しい治療をしながら最期を迎えてもらいたいか。
少しでも長生きしてほしいからと延命治療をしてもらうのか。
それとも、無理はせず、なるべく自然に穏やかに迎えてもらうか。
家族をどのようにしてもらいたいかは正解があるわけではなく、その人の死生観によるでしょう。ただ、いまのところ、死生観を尊重してもらえる環境にないのが日本の現状です。
ともあれ、青梅慶友病院のように今までの常識と違うものを提供し続けることは、どれほどたいへんなことだろうと推測されます。
自分の正しいと信じた道を実現させ、歩み続ける。
現在ここは、82%がクチコミの入院患者だということを伺うと、こちらでご家族を看取っていただいた方々がどんなに満足されたか、さらに家族のOB会まであるのには驚きます。
大切な家族と最期の時をどう過ごしたいか。
今から考えておく必要がありそうです。
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┃ おすすめエンターテインメント「大英博物館 古代エジプト展」
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六本木ヒルズで開催中の「大英博物館 古代エジプト展」に行ってきました。
4大文明のひとつとして知られる古代エジプト文明が栄えたのは、今から5000年前〜3500年前のこと。
今回の展覧会は、37メートルにも及ぶ「死者の書」が目玉です。
「死者の書」とは死後のガイドブックのようなもので、呪文がパピルスに書かれ、巻物としてミイラと一緒埋葬されていました。
世界最長、37メートルの「死者の書」は、女性新官ネシタネベトイシェルウのために作られました。位の高い女性だったため、それだけ力を入れて作られたのでしょう。
じっくりと中身を見ていくと、まずはミイラになって、口開けの儀式を行い、肉体から魂が解き放たれます。いずれ魂は肉体に戻るので、身体はミイラとして大切に保管されます。その後、太陽の神に復活の祈りを捧げ、船に乗って死後の世界の王であるオシリス神のもとへ向かいます。途中、ワニや蛇に行く手を阻まれますがそれを呪文で撃退する。まるで『インディ・ジョーンズ』のようです。
最後に、オシリス神の審判を受けます。生前、誠実で正しく生きたこと、罪を犯さなかったことを告白しなければなりません。生きていた時の行いが正しければ復活でき、そうでないと心臓を怪物に食べられてしまい復活への道は永遠に閉ざされます。ここが最大の試練の場です。
復活をとげた後の穏やかな生活が、最後のくだりとなります。
オシリス神の審判に通るかどうか、そこが重要なところ。
42の神々の前で告白する「私は○○しませんでした」を自分でチェックしてみました。
・ 嘘をつかなかった
・ 誰も泣かせなかった
・ 人をだまさなかった
・ 誰も攻撃しなかった
・ 悪口を言わなかった
・ 誰にもつけいらなかった
・ 理由なく怒らなかった
・ 不貞をしなかった
・ 真実の言葉に耳を傾けないことはなかった
・ 悲嘆にくれなかった
・ ・・・
あぁ。だめだダメだ。
42項目のうち10以上も当てはまってしまい、私は到底復活できそうにありません。
ぜひ、試してみてください。
デザインも美しく、彩色も鮮やか。
紀元前に、これほどまでに完成された文化があったことに感銘を受け、しかもそれを完璧な保存状態で見ることができる。
どうぞ、3000年前のエジプトに思いをはせてみてください。
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