TODAY'S ENTERTAINMENT
 
2004年2月3日(火)
No007 日本の魅力を売る

東大名誉教授の木村尚三郎先生の講演会で司会をし、お話を聞く機会を得ました。
「日本の魅力を売る」がテーマです。
先生は東大の名誉教授であると同時に、70歳を過ぎた今も現役の静岡文化芸術学部学長で週に何度も浜松に通われ、さらに来年催される愛知万博のプロデユーサーでもあります。

お話は実に軽妙、洒脱で楽しく、ためになる内容でした。
先生は観光立国懇談会の座長をされていたそうです。そこでまず、日本には年間500万人しか観光客が来ないという現状があるというのです。これは、世界で35位という、たいへん低い順位です。
なぜ、日本に観光客がこないのか。物価が高いから?いえ違います。他にも物価が高い国はたくさんあります。訪れたいと思わせる魅力がないのでしょうか。いえ、そんなことはないはずです。ただ、その魅力を広く、深く知らせていないだけではないのか。多くの観光客に来てもらうためには、「日本の魅力」を知り、それを流布する必要があります。

魅力というのは、他とは違う所です。
たとえば、日本にしかないポテトサラダ???本物より美味しそうに見える食品サンプル、東京で食べる世界の料理のおいしさ、木、竹、紙、あんどんの灯といった昔ながらの文化、そういったものを見つめ直してみれば日本独自のものというのはたくさんあると木村先生は語ります。
さらに、観光客が求めるのは美しさや幸せの感覚だから、それを提供しようではないかとおっしゃいます。

私は思います。まずは日本人自身が、日本を美しいと感じ、幸せだと思うことができなければ伝えられるわけがないと。自信を持って日本の美しさや、幸せ感を人々に味わってもらいたいと思える国にしなければ、何も始まらないと思うのです。
美しい日本を自分で感じ、幸せだと思える毎日を暮らすことこそが魅力ある日本を作ることに他ならないのではないでしょうか。
今日本の街は汚れ、治安は乱れ、心も荒廃しています。先行きの見えない経済に、望みをかけても意味がない政治、リストラされ、心を病み自殺していくたくさんの人達。
毎日は何気なく過ぎていきますが、実はたいへんな世の中になってしまっている。
そんな中で、日本の魅力を探し、自信を持って世界に提示できるのでしょうか。

まずは、日本の国づくりから見直さなければならない時期が来ていると思います。

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