TODAY'S ENTERTAINMENT
 
2004年7月27日(火)
No018 映画「モーターサイクルダイアリーズ」


南米大陸に行きたい人、見てみたい人に絶対オススメ。
ロードムービーならではの自然の美しさを満喫できる作品だ。
ロバート・レッドフォードが長年温めていた企画を「セントラル・ステーション」のウォルター・サレス監督が作品に仕上げたと聞けば納得できるだろう。
なじみのないブラジルの人々の生活や景色が「セントラル・ステーション」から知ることができたように、今度は、所を変えて南米大陸がわかる。
しかも、その主人公は世界中の誰もが知っている革命家チェ・ゲバラ。
彼がしたためた青春の一ページが映画になった。

若かりし頃のゲバラというと政治的なものではないかとか、思想的なことが前面に出ているのではないかと思いがちだが、まったく先入観なしで楽しめる。
そこには、灼熱のアマゾン川、頂に雪が積もる厳寒のアンデス山脈、静寂のマチュピチュ遺跡、チリのアタカマ砂漠、インカ帝国の壁、
移動距離一万キロの南米大陸のそこかしこが伝わってくる。

医学生のエルネストは裕福な家庭で何不自由なく暮らしていた。しかし退屈な毎日。
そこで、親友のアルベルトとともに中古のおんぼろバイクに乗って南米大陸を縦断することにした。お金もなく、喘息もちの彼は、旅で多くの人と出逢い、感じた。しいたげられた先住民、隔離された病人、みんな平等で、みんなが幸せであっていいはずなのに。
エルネストは、真摯なまなざしを向ける。

レッドフォードは、ゲバラの革命家としての思想に偏らない作品に仕上げたかった。叙情豊な作品にするためには、ウォルター・サレスを起用しよう。そしてその試みは見事に成功したのだ。

キューバ革命の指導者、ゲバラの生涯をより深く知りたくなった。

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