2005年6月発行のサイバーエージェントの藤田晋社長の書いた本
『渋谷ではたらく社長の告白』を読みました。
「おもしろいよ」と友人にすすめられ、
仕事でご一緒している再就職支援の会社キャリアアセットの渡邊社長が
「今日、藤田社長にお目にかかるんです」とおっしゃっていたので
急に興味がわきました。
藤田社長のこれまでの軌跡が丁寧に書かれています。
高校3年でミュージシャンをあきらめ企業家を志したこと。
恩人を裏切り親友を裏切ったこと。
ろくにご飯も食べず仕事に夢中で恋人とも別れたこと。
仕事ばかりの人生を選んだこと。
上場したことによる苦労。
そして数々の人たちに助けられたこと。
人はたくさんの人たちの愛情によって支えられているんだなあと思いました。
文中で心に残る言葉がひとつ。
「有線ブロードネットワークスの宇野社長が出資してくださるときに
経営には一切口を出さない、馬とフェラーリさえ買わなければあとは何をやってもいいよと言われました。
事業が失敗したとき所有していたフェラーリの写真が雑誌に掲載されたり
競走馬がメデイアに取り上げられ、
だから失敗したんだと言わんばかりの報道を何度も目にしたことがあります。
「日本は嫉妬社会だからな」と」(略)
なぜ日本は「嫉妬社会」なのだろうと思いをめぐらしました。
先ごろ読んだ村上龍の『希望の国のエクソダス』にはこんなくだりがあります。
「誰かに何かをしてあげたい。
誰かになにかをしてあげることができる存在になりたいという思いが、
どれだけ普遍的で切実なものかをこれから日本人は思い知るようになると思う。
競争社会では、嫉妬や自己嫌悪が人間の当たり前の感情だということが
よりはっきりするだろう」
ではもし競争社会でなければ嫉妬しないのでしょうか。
嫉妬は、
@自分より優れたものを妬みそねむこと。
A自分の愛する者の愛情が他に向くのをうらみ憎むこと。またその感情。
(広辞苑)
女性の嫉妬より男性の嫉妬のほうがより深く根深いと言います。
競走馬やフェラーリを買うのは問題外ですが
能力がある人が嫉妬されるのは必定でしょう。
だからといって、嫉妬されないように身を縮こませているのも問題。
心して、でも悠然と、のびやかに生きるためにはどうしたらよいか。
大きな課題です。
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