東京国際映画祭で評論家の間で話題になっていた作品がいよいよこの6月に公開されます。

ココシリとは、中国青海省チベット高原にある場所の名前。
海抜４７００メートルのこの地域は、
人が神に最も近づくことが出来る秘境として知られています。

ここには希少な野生動物チベットカモシカが生息しています。
しかしチベットカモシカの皮は高値で取引されるため乱獲され
20年の間に100万頭が１万頭に減ってしまいました。

この作品は、密猟者と民間自衛団（パトロール隊）との真実に基づいた物語。
美しく過酷で壮大な自然と人間の恐ろしさを突きつけられて衝撃的です。

密猟者たちは、皮を売りさばいて豊かな暮らしをし、
自衛団は、乏しい懐で人手も銃も食べるものもなく命をかけて密猟者を追いかける。
誰に頼まれたわけでもないので無報酬です。
家族や恋人とはなれ、
零下２０度、空気も薄く高山病に悩まされながらも追いかけるのは
なぜなのか。

そこにあるのは、カモシカを守らなくてはならないという使命感なのか。
正義なのか。崇高な人生観なのか。あるいは焦燥感なのか。

彼らの生はいつも死との境目にあります。


重くずっしりとした作品ですが、
深い気持ちになりたい方にぜひおすすめです。

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