劇団昴の芝居で「親の顔が見たい」が2007年2月1日から11日まで
上演されていた。
脚本は、畑澤聖悟さんという劇作家で演出家。
現役の高校教師という方だけあって、内容が真に迫っている。
さらに劇団昴の役者さんたちの素晴らしい力量に圧倒された。
・・・・・・
ミッション系の私立女子中学の教室で、自殺があった。
5人の子供達が、仲良しグループの一人をいじめていたのだ
グループメンバーの親たちがその日、学校に集められる。
親たちは一様に「自分たちの子供に責任はない」
「自分たちの子は、いじめなどしていない」
「そんなことするはずがない」
「証拠がない」と言い張る。
そして「自分たちの子供には責任がない」ということで一致団結しようと話し合う。
ところが、自殺した子供が書いた遺書から次々に事実が明るみに。
それらをすべてもみ消して、知らぬ存ぜぬを通そうとする親たち。
そこにあるのは、「自分の子供を守る」という大義名分だ。
そして、いじめた子供たち自身はまったく心の痛みを感じていない。
・ ・・・・・・・・
いつから、このようなことになってしまったのか。
いつから、人の心が理解できなくなってしまったのか。
弱いものの気持ちがわかる、
相手の立場に立って考えるという大切な教えはどこにいってしまったのか。
いじめる子は、いじめられる子の気持ちがわからない。
自殺させてしまった子供の親は、自殺した子供の親の気持ちがわからない。
本当に真実を包み隠すことが、自分の子供を守ることになるのだろうか。
責任を転嫁すれば守れるのだろうか。
目先は守れるのかもしれないが、いつかいじめられ側になったら
いつかもっとエスカレートしたら、そのときはどうするのか・・
この内容が決して誇張ではないところが、空恐ろしい。
見る人は「これはお芝居」であり「作った話だ」と思うだろうが、
でも、こうした事実は起きている。
自分の子供を信じるということは、
間違ったことをしたときに、間違ったことはしていないと思い込むことではなく、
責任を感じられる子供にするということではないか。
本当なら、誰だって間違いを犯さない子供に育てたい。
でも、もし間違いを犯してしまったら、
親ができることは子ども自身が傷ついたとしても間違いを間違いと認めさせ、
謝罪する気持ちを持たせること。
そして、その子供を大きな愛で包み込み見守ることではないだろうか。
事実を見つめ、
どうしたらよいか、
どうすれば子どもがきちんと間違いに気づくか。
間違う前に引き返す為にはどうしたらよかったのか。
どうしたら人の痛みがわかる人間になれるか。
正しく生きていくことがどれだけ重要かを
身をもって見せていくことが親のつとめだと私は感じる。
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