映画にも「農業」の流れが来ているようです。
『種まく旅人〜みのりの茶〜』は、爽やかな作品。
大分県・臼杵市の茶農園を舞台に、後継者問題、無農薬栽培農家の抱える課題などが、エンターテインメントとして仕上がっています。
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デザイナーの森川みのり(田中麗奈)は、ある日退職を余儀なくされ、先が見えない中、学生 時代の友人が営むオーガニックカフェを訪ねる。自分らしく生きる友人の姿に憧れ、自分には一体何ができるのか自問自答する。近隣の、久しく顔を出していな かった祖父(柄本明)を訪ねると、一人で無農薬のお茶作りに孤軍奮闘する姿があった。その夜、突然金ちゃん(陣内孝則)という男が祖父を訪ねてきて、なに やら親しげで、楽しそうに打ち溶け合っている様子に帰るタイミングを逸してしまう。
そんな時、祖父が病気で倒れる。心をこめて大切に育ててきた無農薬の茶農園は手をかけなければだめになってしまう。市役所の職員卓司(吉沢悠)には、大変だと諭されるのだが、金ちゃんの応援を得て、みのりは祖父の代わりに茶畑に入るのだった。
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全国の農家を回って現場の声を聞きこれからの農業を探る農林水産省の役人・大森金二郎に陣内孝則。たまたま祖父の家 を訪ね茶畑を世話することになった孫娘に田中麗奈。お茶の無農薬栽培にこだわる祖父に柄本明。市役所の青年職員・卓司に吉沢悠。そのほか、永島敏行、石丸 謙二郎、寺泉憲など実力派俳優が多数出演しています。
お茶栽培のたいへんさや、今の農業が直面する問題点などをおしつけがましくなく、そっと提示する。
画面 に広がる緑の茶畑を見ると、こんなに広い畑の作業をするのは、どんなにたいへんなんだろうと感嘆するばかりです。
雨の日も、風の日も休むことなく、命ある お茶を育てる。しかも、自分のためではなく、飲んでくれる人が喜んでくれるお茶を作るために、日々奮闘しなければ美味しいお茶は育ちません。生茶をお茶に 仕上げる工程は、まさに人の手でお茶が出来上がっていくのがわかり、臼杵の「釜炒り茶の手もみ」の様子は、ふくいくとした香りが漂ってきそうです。
今度は「お茶摘み体験」、是非してみたいですね。
皆さん、ご一緒しませんか?
『種まく旅人〜みのりの茶〜』
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