前号でお話しした、
宗(そう)先生の最終講義が行われました。
宗先生は、人間学科の教授で、イエズス会の神父でもあられます。
講義は、先生のお人柄あふれる、おだやかで温かい、だけど情熱的なものでした。
このような素晴らしい授業を学生時代受けていたのかと思うと、
なんてもったいないことをしていただんだろうという思いで一杯になりました。
私自身の受けとる心が違うのでしょう。
気づいたことがとても多い授業でした。
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冒頭、先生は、
「これまでの人生、失敗と挫折も全部含めて大きな恵みであった。
多くの人との接触と交わり。(それがどれほど素晴らしいものであったか筆舌には尽くせない)
そうした出会いの奇跡を頂きました」
と話し始めました。
タイトルは「宮沢賢治、二つの愛について」−銀河鉄道の夜をめぐってです。
先生のお話は宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に始まり、
親鸞、『星の王子様』のサン・テ・クジュペリ、聖書、
武者小路実篤、マンガの『二十世紀少年』や、さだまさしの歌にまで広がります。
本当の幸せとは何なのか、
それは本当の愛と密接につながりがあると説かれます。
本当に愛するということは、
相手を自分の思い通りにしようとするのではなく、
その人のありのままを受けいれて相手を壊さないということ。
その人が何をするか、したかではなく、
本当のその人の価値はその人がそこに存在するということ。
また、大事なことは心で見ること。
一緒に感じ、同じ思いをし、共に感動するときは、やわらかくて、暖かで、幸せな気持ちになっていく。
それが、互いをかけがえのない存在にしていく。
さらに、私たち人間ができることは、許すこと。
それが、腹が立ったり、癪に障るといった重荷を軽くする。
そうした愛を深めていけば、
愛は昇華し、普遍的なものになっていき、個への愛から全体への愛となる。
一人の人間を徹底的に愛することを通じて、万物への愛となる。
という内容でした。
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ともすれば、人は、自己愛を愛情と誤解しがちですが
本当の愛とは、
もっともっと深いものなのですね。
たくさん教えを頂いたことに感謝しつつ
日々反省し、自分を見つめ、
成長していければと思います。
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